昔の税金の話
生活必需品か贅沢品かの線引きに問題があった物品税って覚えていますか?
物品税は、日中戦争中の昭和12(1937)年に物品特別税が創設され、それが起源となって昭和15(1940)年に恒久法として制定となりました。主に贅沢品や嗜好品が課税対象でその中には扇風機や蓄音機もありました。扇風機が贅沢品だったんですね。その後は、時代とともに何度も見直しが行われました。例えば昭和25(1950)年にはそれまで課税されていたミシンやアイロンなどは生活必需品とみなされて非課税となっています。
このようにその後も見直しを行っていましたが、所得水準の上昇や価値観の多様化が進み贅沢品として課税対象とすべき物品の客観的判断が事実上困難となりどこまでが生活必需品なのかなどが議論されることもありました。特定の物品に課税するのではなく消費全体に広く薄く負担を求める消費税の創設が必要と考えられたのです。また、高齢化社会になり現役世代の重税感や不公平感など社会問題の懸念や不安などが後押しになったこともあって平成元年(1989)年4月に消費税が導入されて同時に物品税は廃止されました。
50年後、100年後に逆進性という問題があった消費税って覚えてますか?とか、未来の人が昔の税金の話をしているかもしれません。