年末調整電子化
国税庁のホームページに「令和7年分の年末調整控除申告書作成用ソフトウエア」プロトタイプが公表されました。
年末調整の電子化普及率をAIに尋ねると大手企業では職員の半数以上が電子で申告している割合が61%(2021年企業調査)というデータがある一方、2024~2025年時点でも完全な電子化には至っておらず年末調整書類の約60%は紙でやりとりされているというデータもあるそうです。今まで従業員が税務署配布用紙に手書きで記入し、控除証明書を糊付けして勤務先に提出する方法をとっていた事業者では一気に完全電子化はハードルが高いですし、電子化の検討をしているけれどシステムの改修やセキュリティ面での問題などでなかなか進んでいないという事業者の方もいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。
国税庁のホームページには年末調整電子化の推進用パンフレットが公表されてます。
年末調整の電子化について、まだ検討していないけど検討したい場合に「電子化の進め方(勤務先編)」のパンフレットには実施方法として4つの案について説明がありますので参考にしてみたいと思います。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/0024009-017_01.pdf
「案1」完全電子化:従業員は控除証明書等をデータで取得、PCで申告書作成、勤務先にメール等で提出。勤務先では受取ったデータをシステムにインポート。
「案2」部分電子化:従業員は控除証明書等をハガキ等で取得、PCで申告書作成、勤務先に申告書はメール等で控除証明書等は書面で提出。勤務先では申告書データをシステムにインポート、控除証明書等は保存。
「案3」部分電子化:従業員は控除証明書等をデータで取得、PCで申告書作成、勤務先に書面で提出(控除証明書もQRコード付控除証明書を作成し書面提出)。勤務先ではシステムに手入力、申告書及び控除証明書等は保存。
「案4」一部電子化:従業員は控除証明書等をはハガキ等で取得、PCで申告書作成、勤務先に書面で提出。勤務先ではシステムに手入力、申告書及び控除証明書等は保存。
従業員がデータでの提出を希望するケースも出てきていますよね。今まで手書きの書面提出だった場合は、まずは「案4」の従業員にPC等で入力したものを出力して書面提出してもらう事を周知して始めるのがちょっとゆるいかもしれませんが取り掛かりやすいですね。入力済であれば、メール等で送信の「案2」が可能になります。しかし、この「2案」の実施でパスワードや電子署名などのルールを決めて周知と徹底をするという検討事項が発生しますよね。まずは何が問題になるのかを洗い出して段階を踏んで進めていくのがよろしいのではないかと思います。